先月以来、日本のアステラス製薬の社員が、中国において詳細を明らかにされないままスパイ活動容疑で拘束されています。
これに対して、日本政府は親中派として知られる林芳正外相を中国に派遣し、秦剛(しん・ごう)外相と会談に臨んだものの、議論は平行線に終わりました。
そもそも、不当な拘束に対しては、まず駐日大使を呼びつけて即時解放を要求するのが筋であります。外務大臣が、のこのこと北京まで出かけて行って人質をとる輩と握手をするなど馬鹿げています。習近平政権の狙いはG7サミットを前にゆさぶりをかけることであり、まんまと術中にはまっている岸田首相は無様だとしか言いようがありません。
さらに、このご時世で日中の民間交流拡大とかパンダを貸してほしいなどと言っている公明党の山口代表は論外です。一方の国政野党も、いまだに「対話が重要」などと言っており、お花畑ぶりに呆れかえります。
私は、少なくとも習近平政権が続く限り、香港・マカオを含む中国に対しては、渡航延期勧告を出すべきだと思います。
これまでの中国共産党の指導者と比べて帝国主義的な膨張志向を隠そうとしない習近平氏は、明らかに異質な存在です。習近平独裁の共産党政権との間に軟着陸を夢見るのは、かつてG7がプーチンのロシアをG8のメンバーとして迎えたのと同じくらい愚かなことです。