岸田首相が念願のウクライナ訪問を果たし、首都キーウでゼレンスキー大統領と首脳会談を行いました。私はかねてから首相の早期のウクライナ訪問を主張していたので、それがようやく実現したことは評価します。
しかし、日本テレビなど一部のマスコミに対してポーランド到着からの旅程をリークしたであろうことには強い疑問を感じます。おそらく事前にアメリカ、そして敵対国のロシアにも訪問を伝えたのでしょうが、いくら習近平氏の訪露中であるとはいえ、ルートが公になればそれだけリスクが高まることは言うまでもありません。また、今後ウクライナを訪問する各国首脳のリスクも高めることにつながります。
成果をアピールすることだけに夢中になっている首相と政権べったりの御用メディアのなれ合いにはうんざりします。日本テレビとNHKのカメラが、岸田首相が隣国ポーランドのプシェミシル駅で列車に乗車するところを、同じ場所、同じポジションから映していましたが、御用メディアである両者に意図的にリークし、首相が列車に乗った時点で情報解禁しただろうと言う指摘があります。
乗車してからキーウに到着するまで10時間もかかるのに、その間万一狙われたらどうする気なのでしょうか?わざわざキーウ到着前にリークする必要もそれを放送する必要もありません。岸田首相と御用マスコミ両方の危機意識の低さに唖然とします。
特に、読売新聞は1月22日の朝刊で「首相、キーウ訪問検討─ゼレンスキー氏会談へ…戦況見極め最終判断」というタイトルのスクープ記事を公開、予定されている旅程の詳細まで公表し、首相の訪問計画を台無しにしたと言う前科があります。そんなことをしでかした読売グループに対して、御用新聞という理由でご褒美をあげようとする岸田首相の意識の低さはリーダーとして問題があるとしか言いようがありません。そして、メディアとしての社会的責任を忘れ、低俗なスクープの連発とひたすら自民党政権の延命に寄与し続ける読売グループの企業姿勢は論外です。
旅程をリークした経緯と誰にリークしたのかについて、政権とメディア両方を徹底追及しなければいつかは被害が発生すると、私は思います。