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時短・一律の要請は非合理的で持続可能でない政策だ

緊急事態宣言が首都圏の1都3県に発令されて1週間が経過し、対象地域も11都府県に拡大しました。前回の緊急事態宣言時においては、今から考えれば感染者数自体はかなり少なかった(東京都はピークで10分の一以下)にも関わらず、全国で宣言が解除されるまでに1か月半かかった(首都圏は当初5月末までの予定だったのを無理して切り上げた)ことを考えると、今回は解除までさらに多くの困難が待ち構えているでしょう。

それでも、菅政権は一か月で倒産・失業を増やさずに全国の感染者を大幅に減らすことを目標としていますが、現状の対応では目標の達成は難しいと言わざるを得ません。最近同じことを繰り返し述べている気がしますが、繰り返し述べている部分が政府の対応が依然として不十分と私が認識しているということで、読者の皆様には理解していただきたい所存です。一言で言えば、これも繰り返しになりますが、小出しにやるのではなく一気に強力にインパクトがある形でやるべきであり、その方が効果が高いだろうということです。

まず、緊急事態宣言の対象地域についてですが、今回、東京・大阪・名古屋・福岡の4大都市圏の多くの地域が対象となりましたが、首都圏・中京圏・関西圏で対象となっていない茨城・群馬・三重・滋賀・奈良の各県も感染が上昇傾向にあり、さらにそれ以外の地域においては、熊本・宮崎・沖縄の各県は警戒ステージ4相当です。これらの県が対象地域となっていないのは疑問に感じざるを得ません。さらに、一時感染が下火になっていた北海道もここのところ上昇傾向にあり、本日も新規感染者が200人を超えましたので、北海道も対象区域に入れるべきです。

これらの都道府県だけでもかなりの数になりますが、政府は他の県も含めて一度全国への地域拡大と他県への移動の自粛を要請し、4月の時と同様に感染が十分に収まった地域(農村部が先になるでしょうが)から順番に、宣言の解除を行うべきです。都道府県ごとに感染状況が異なるのに全国一斉にやるのは、①今現在感染が他県と比べて少ない県でも冬という季節を考えれば今後感染が広がっていくことが予想され、医療提供体制が追いつかなくなる可能性がある、②「全国一斉」は人々の行動を変化させるのに十分なアナウンスメント効果があることが考えられる、ことが理由です。

次に、自粛要請の対象分野と内容ですが、感染を拡大させる大きな要因が飲食を通じての会話であることから、飲食店がメインのターゲットになるのは仕方がありません。しかし、劇場・映画館・コンサートホール・ライブハウスについても屋内施設であることから飲食物の提供はより限定された形にすべきではないでしょうか。さらに、飲食店等の時間短縮営業については、夜8時までというのは店の営業にとっても感染抑止の観点からも中途半端で、少なくとも夜間は休業要請すべきです。西村コロナ担当大臣が昼間の外食ランチも自粛呼び掛けていることにサイゼリヤの堀埜一成社長が怒りを爆発させましたが、それは当然なことで、時短要請の対象となっていない時間帯での利用を控えるように要請することは、店からすれば政府による営業妨害以外の何物でもありません。西村大臣はテレワークの利用を訴えていますが、昼間も家から出るなというのであれば、飲食店などの事業者に対しては中途半端な時短要請ではなく休業要請を行うべきです。なお、テレワークも「7割目標」と言わずに最低「原則テレワーク」と訴えるべきです。

そうなると、自粛に応えてくれた事業者への支援(協力金)の中身が重要になりますが、これは現在の事業者規模を考えない一日あたり一律6万というのは無理な話です。役所の対応が間に合わないというのが事業規模に比例した支援を否定する言い訳になっていますが、これは全く通じる話ではありません。事業規模を考えないというのは、一定規模以上の事業者からすれば受け入れられない話だということは普通に考えれば分かる話です。そもそも、事業規模に比例した支援を行う必要性は一回目の緊急事態宣言の時からわかっていた話で、それを安倍-菅政権が全く取り込もうとしなかっただけに過ぎません。激務に追われている霞が関の公務員からすれば本当に迷惑な話でしょうが、彼らの仕事量を少しでも減らすためにとりあえず事業規模の把握を一旦ざっくりとやるしかないでしょう。これに関しては、18日から始まる通常国会でも国政野党は批判するだけではなく、自分達も対案を考えるべきです。

菅政権が感染症法改正に関して入院拒否感染者に懲役刑を導入し、緊急事態宣言の前段階で「予防的措置」を導入して従わなかった事業者に罰金刑を導入することを検討していることが波紋を広げています。私は、要請に従わない人はどんな社会にも一定数おり、そのことが社会に対して相当な悪影響を及ぼすのであれば、命令と罰則を導入することは当然だと考えています。しかしながら、これまで社会的に認められてきたことが命令により急に禁止され、従うことにより致命的な経済損失を受けるならば、十分な損失補償を受けるのが当然だと考えています。それゆえ、一律6万の協力金というのは非合理的であり、罰則を設けるのに規模に応じた補償を設けないことは許されるべきではないと考えますし、ほとんどの人もそう考えるのではないでしょうか。菅政権が合理的補償なしに罰則の話を進めるのならば、さらなる支持率の低下を招くことは必至です。

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