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まるで中国の香港締め付け、渋谷区のチグハグで強権的なハチ公口封鎖

ハチ公口改札閉鎖で他の出口が大混乱

新型コロナウイルス感染症の5類への移行を受け、行動(自主)規制が解除されたことから、ハロウィーンの時期に東京都の渋谷駅周辺に人が殺到することを恐れた長谷部健渋谷区長は、「渋谷はハロウィーンイベントの会場ではありません」として、同様のスローガンが書かれた巨大看板をハチ公口に設置を設置し、ハチ公銅像周辺を含むハチ公口に大幅な交通規制が行われています。

私は、10月28日土曜日の夕方に渋谷駅で東急田園都市線からJR山手線に乗り換えようとしたのですが、なんとハチ公口改札まで閉鎖されており、南口の方へ迂回させられたわけですが、そのせいで南口がごった返して、かえって人の流れが滞留しホームも含めて危険な状況でした。規制さえすればよいと言う単純な発想に基づく杜撰な交通規制に怒りを感じた私は、渋谷警察署に電話し、直ちにハチ公改札口の閉鎖を解くように苦情を言いましたが、同様の苦情は相当数寄せられていたようです。

一貫性がない長谷部渋谷区長の言動

長谷部区長は公約に「エンタテイメントシティ特区」や推進を掲げ、ナイトタイムエコノミー構想に対して推進の姿勢を取っています。2016年のハロウィーン時には渋谷駅前スクランブル交差点を「歩行者天国化」し、2019年には「ハロウィーンを渋谷の誇りに」と言っていたのに、長谷部区長が今年になって突然「ハロウィーンイベントの会場ではない」と言い出すのは過去の言動と一致しません。

彼がこのような方針転換を行った理由は単純で、昨年起きた韓国・ソウルの梨泰院での群集事故のようなことが起きることを恐れたということでしょう。しかし、別に渋谷駅を封鎖しなくても事故を起こさない方法はいくらでもあるのですから、行政としてやるべき努力を放棄して、突然「封鎖」という強制的な措置を取ることは公権力の乱用でしかありません。「渋谷はハロウィーンイベントの会場ではありません」と書かれた看板によってハチ公前広場が封鎖されていた光景は、まさに香港での民主運動が中国共産党によって徹底的に弾圧された光景を彷彿させるものでした。

「群衆が集まるのが嫌だから排除」は独裁者の発想

長谷部区長が年末のカウントダウンイベントについてどう考えているのか知りませんが、もし、カウントダウンイベントがOKでハロウィーンが駄目というのならば、何が根拠なのでしょうか? ハロウィーンだとお酒を飲んで騒ぐ連中がいると言うのならば、そもそも条例で路上飲酒自体を禁止すべきです。カウントダウンイベントについても否定すると言うのならば、ニューヨークのタイムズスクエアを筆頭に他国のカウントダウンイベントも長谷部区長は否定しているということになります。群衆が集まって自分にとって都合が良い秩序が乱されるのが嫌だから、排除すると言う発想はまさに中露のような独裁国家の独裁者の発想です。

民主主義国家では行政が国民の行動の自由を制限することにはついては慎重な判断と明確な根拠が求められるべきですが、コロナ渦を経て、行政が国民への行動制限を課すことに慣れてしまったことの弊害を強く感じました。「全面封鎖」という長谷部区長の行動は明らかにやりすぎで、過去の言動との整合性についての説明も全く不十分であり、アカウンタビリティ(説明責任)にかけているとしか言いようがありません。

「排除」より良い解決法はある

規制を擁護する人の中には、ハロウィーン対策で2019~2023年の5年間で2億7000万円以上の税金が投入されて、区民一人当たり約1,170円の負担をしていると主張している人がいますが、そもそも「エンタテイメントシティ」渋谷のスクランブル交差点は、それこそニューヨークのタイムズスクエアのように世界中から沢山の人々が集まる場所になり、インバウンドによって増えた税収の方が警備費用よりはるかに多いでしょう。その税収増が区民に還元されていないのであれば、それは長谷部区長の責任でしかありません。それに、28日は山手線下のガードや109の前までも装甲車で封鎖していたようですが、そんなことをするのならば、かつてのようにスクランブル交差点周辺を歩行者天国にした方が、よっぽど混雑が解消されます。

ハロウィーン時に限らず渋谷駅周辺での路上飲酒を条例で禁止した周知徹底した上で、歩行者天国で混雑を解消したほうが規制でハロウィーンを潰すよっぽどましでしょう。一部で言われているように、これまでカウントダウンで行ってきたような行政主体を交差点前でやった方が、むしろ秩序が保たれるかもしれません。

整合性がある「公正で分かりやすい行政」が行われるべき

渋谷駅構内やセンター街周辺では飲料の自動販売機が設置されている上にコンビニで酒類を含む飲食物が販売され、さらに食べ歩きを想定した店が少なからずあるのに、駅や街中でゴミ箱が撤去されているなど、渋谷に限らず日本では矛盾したごみ行政が行われていますが、外国人観光客に対してこのような矛盾したルールに大人しく従えと言っても、無理があります。整合性がある公正で分かりやすい行政が行われるべきです。

最後に、その場のノリで安易な判断をする傾向がある日本維新の会の政治姿勢は、長谷部区長のそれに類似性を感じますが、大阪府・市は、10月31日や阪神が日本一になった場合に道頓堀戎橋周辺を全面封鎖するなど愚かな行動はとらないでほしいものです。





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