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世襲候補の立候補を法的に禁止すべきだ

引退を表明している公選議員の配偶者又は三親等以内の親族が、当該議員が選出されていた選挙の選挙区において(連続しないケースも含めて)立候補することを「世襲」と定義しましょう。

自民は世襲ばかり、立民も枝野代表が世襲否定せず

衆議院選挙が近づいていますが、最近、ベテラン政治家の引退表明と共に後継者として世襲候補が擁立されるニュースをよく目にします。 自民党は、引退を表明した川崎二郎元厚労相(比例東海・三重2区)に代わり、同氏の長男である秀人氏を三重2区に擁立、同じく引退を表明した塩崎恭久元官房長官が選出されていた愛媛1区に関しては、後継公募に長男の彰久氏が党の公募に応募する意向を示しています。

野党第一党の立憲民主党も同じで、同党北海道連は次期衆院選の北海道3区に、引退を表明した荒井聡元国家戦略担当相の長男である優氏を擁立することを決めました。それだけではなく、最近では、羽田雄一郎参議院議員の死去に伴って今年4月に行われた参議院長野県選挙区補欠選挙では、同党は雄一郎氏の弟(つまり故羽田孜元総理大臣の息子)である次郎氏を擁立し、共産党、国民民主党、社民党も同氏を推薦し、勝利しました。

立憲民主党の枝野幸男代表は6月30日の記者会見で、「世襲だからと機械的に否定するのは硬直的だ」と述べて一律に世襲制限は設けず候補者ごとに判断する考えを示しました。しかし党首の態度がこれでは、政治家の世襲制限を菅首相に迫った辻元清美同党副代表はさぞかし落胆しているでしょう。自民党では世襲が当たり前とされているのは呆れ果ててものが言えませんが、野党もこれでは日本の政治が前近代的だと批判されても反論できません。

世襲を禁止したのにいつの間にか骨抜きに

同じく立憲民主党所属の野田佳彦元首相は、首相在任時(旧民主党代表時代)に政治家の脱世襲を訴えマニフェストにも「現職国会議員が引退する場合、その親族(三親等以内)が引き続くかたちで、同一選挙区から立候補する、いわゆる世襲について、民主党は内規で引き続き禁止する」ことを盛り込みました。ところが、その後の2015年、千葉県議会議員を務めたことがある野田元首相は、地元の千葉県議会議員船橋市選挙区(定数7名)で弟の野田剛彦氏を旧民主党唯一の公認候補として擁立し、剛彦氏は当選しました。

私自身も旧民主党出身(船橋市の隣の市川市の元県議)なのですが、旧民主党出身者には前言撤回をする人が多いのが残念で、私もそうならないように気を付けます。

さて、なぜ世襲がいけないかと言えば、一番の理由は、世襲議員の存在が世襲でない人が政治家になることへの参入障壁となるからです。当選者が少ない小選挙区(衆議院)や中選挙区の選挙(参議院や都道府県会議員)においては、世襲議員は「権力者」の地位に「不当に有利な条件で」就任しており、法の下の平等(憲法14条)に反していると指摘されています。選挙区ポストが政治家子息・息女らの就職口になり、世襲の容認が世襲議員とその取り巻きたちが税金を食い物にした利権の温床になっているとの指摘もごもっともです。

世襲は不当な条件で権力に就任する手段

旧民主党の例の様に党の内規で世襲禁止を定めても結局骨抜きにされるのですから、はやり世襲の禁止は法制化すべきです。例えば、ある選挙においてある政党がある選挙区で推薦または擁立した候補者の数がnだとして、nが一定以下である場合は、世襲候補を公認してはいけないとするようなルールを設けるべきかもしれません。たとえ市議会議員選挙であっても、A党に所属する議員が引退を表明し、次の選挙で当該政党から公認された候補者が当該議員の子息・息女だけだとしたら(この場合n=1となる)、A党から出馬するには参入障壁があると言われても仕方がないでしょう。

仮にこのようなルールが制度化されたとしても、公認候補者だけをたくさん擁立して実質的には世襲候補者しか活動しないようなケースも出てくるかもしれませんが、法律上に公認・推薦候補に対して世襲候補を優遇してはならないなどの規定を盛り込み、抜け道を許さない明確な線引き基準の作成を国政・地方問わず行うべきではないでしょうか。

社会民主進歩党は2回投票制の直接公選による大統領制の導入(天皇と大統領が共存する形で)を訴えています。大統領制と世襲制限を同時に導入した場合、大統領選挙においては、選挙区が国家全土で各政党とも候補者は1になるでしょうから、親族に大統領経験者いれば立候補できなくなりますが、これは職業選択の自由を奪うという問題があります。大統領制をとっている民主主義国家において、世襲で大統領に就任または有力政党の大統領候補となった代表的な例としては、アメリカのブッシュ元大統領、韓国の朴槿恵前大統領、ペルーのケイコ・フジモリ氏などがあります。いずれも人によって評価が大きく分かれる人物だと思いますが、大統領制下で世襲候補の立候補を認める場合は、10年以上の公職政治家歴(議員または首長としての在任期間)を要件とするなど、政治家としての最低限のキャリアを求めるべきでしょう。

政権と制度を変えなければ政治は変わらない

選挙前に現政権への不支持が高まっている(NHKの最新世論調査で菅内閣発足以来最低の支持率33%)のであれば、本来は政権交代の可能性が高まるはずです。しかしながら、与党の自民党の支持率は34.9% (前回35.8%)なのに対して、野党第一党の立憲民主党の支持率は6.0%(前回6.4%)しかありません。このままでは自民党政権が続き、世襲に代表される縁故政治が強化されることは間違いありません。立憲民主党への支持はかつての民主党へのそれとは異なり消極的な支持がほとんどだと思いますが、それは同党の政策や政治姿勢に未来を感じないからでしょう。

進歩党に関しては、作ったばかりで知名度もお金もほとんどありませんが、現実的で積極的な政策を打ち出す中道左派勢力を作らなければ日本は変わらないとの強い信念があります。4度目の緊急事態宣言が発令され街頭宣伝活動も全くできない非常に苦しい状況ではありますが、現状の閉塞感を打破するために何とか次期衆議院選挙東京比例ブロックに挑戦したいと悪戦苦闘しております。

国・地方を問わず、政府のリーダーと議員個人を選ぶ選挙では、世襲が可能な限り排除され、直接公選での有効投票の過半数の得票をもって当選が決められるべきです。制度を変えることだけでは政治は変わりませんが、制度を変えなければ政治は変わらないケースが多いことも事実です。ポストコロナ時代を見据え、日本はもう一度大幅な制度改革を行う時期に来ているのではないでしょうか。

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