社会民主進歩党政策調査会では、党の新憲法草案作成にむけて論議が始まりました。私たちは、現行の日本国憲法の価値を十二分に認めながら、それを時代に合わせてより進歩的・合理的にアップデートさせた日本国憲法Ver.2を、立憲主義に則って制定すべきだと考えています。
今回、私は議論のたたき台の一つとして私案を作成しました。本私案は、党の重点政策および個別政策が反映されたものになっています。
私案における現行の日本国憲法からの主な変更点は以下のようになります。
- 天皇と直接公選で選ばれた大統領が共存する君主制と共和制の混合政体の実現
- 大統領および副大統領の任期を1期5年再選1回に制限
- 内閣に変えて閣僚評議会、内閣総理大臣に変えて閣僚評議会議長(首相)を設置し、フランス・台湾型の大統領制(半大統領制)を導入
- これにより、国政トップである大統領が国会での答弁に忙殺されず、外交により注力することが可能になる
- 大統領の諮問機関として国家評議会を創設し、その部会として国家安全保障会議と国家戦略会議を設置
- 閣僚評議会の構成員にも国会評議会を義務づけることにより、大統領制と閣僚評議会の意思疎通を緊密にさせる
- 強力な権限を持つ憲法裁判所を導入
- 解釈改憲を防ぎ党権力の暴走を抑える
- 連邦制的道州制の導入、中央政府の権限の州への移譲、州の下部機関とした形での都府県の存続で、行政の肥大化を防ぎながら地方分権を進める
- 地域間格差拡大防止・国と地方公共団体の意見が異なった時の円滑な問題解決のために中央政府の地方公共団体に対するコミットメントを明記
- 現在の衆参両院を再編し、同定数の上下両院からなる連邦議会を創設
- 下院(国民会議)は国民全体の代表、上院(全州会議)は各州の代表とすることで各院の存在意義を明確化
- 上下両院の議決が違った場合は、合同会議を開き単純多数決で議決することでねじれ発生解消
- ただし、片方の院の賛成が25%以下の場合は可決を認めないことで、両院に拒否権を残し、二院制のチェック機能を残す
- 連邦議会を通年開催とすることで、権力による裁量的な国会援助に歯止めをかける
- 性別を定めない形での当事者間の身の合意による婚姻の権利の明記
- 死刑制度の廃止
- 自衛隊の防衛機構への名称変更とその役割と行動の制限の記載
- 権力の暴走を憲法裁判所が制御する形での緊急事態条項導入
- 国および地方公共団体の地球的な環境問題の克服に向け主体的に行動する義務の明記
そして、下の図は新憲法制定後の各行政機構間の関係をあらわしたものになります。
今後、党政調ではいくつかの案の比較・検討を行い修正を重ね、党新憲法草案が決定される予定です。リベラルな方向性から、さらに合理的な新憲法の制定を目指す私たち進歩党の活動に是非ご注目ください。