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万博・カジノ・御堂筋歩道化、大阪を破壊する維新三大馬鹿事業をストップせよ

延期や中止が囁かれる大阪万博

 2025年4月に開幕が予定されている大阪・関西万博は、建設資材の高騰や建設労働者の不足で会場整備の遅れが深刻化しています。とりわけ手続きが滞っているのが万博の目玉である海外パビリオンで、参加国が費用を自分で負担して独自に建てる「タイプA」については、7月30日時点で建築申請の手続きを開始したのがお隣韓国のわずか1件であり、万博の開催の延期や中止さえ囁かれています。

 そこで、日本国際博覧会協会(万博協会)や経産省はあの手この手を使って、進捗を早めようと躍起になっています。海外パビリオンの出展に関しては、協会は、開幕に間に合うように、自身が参加国に代わってパビリオンを「建設代行」し、代金は後で請求することを参加国に対して提案しました。海外パビリオンは華やかなデザインが売りであるはずですが、協会側は自身が用意した質素なデザイン案の中から一つ選んでもらって建設を代行することを提案したようです。これでは、華のない万博になり、大人一人7,500円を払ってまで行きたいと思う人がどれだけいるのでしょうか?(それでも、万博協会は開催半年間で2,820万人が来場する予想)

 7月28日には、経産省が、海外のパビリオンの工事について、国内の建設会社を対象に、企業が支払う保険料を通常より3分の1程度に抑えた上で、海外の参加国から建設代金が支払われない際に補償などがなされるという「万博貿易保険」の導入を目指していることが明らかになりました。これについても、「残りの3分の2の保険料は誰が負担するのか?税金から支払われるのか?」、「参加国に対して「建設代金を支払わなくても保険でカバーしますから早く建設してください」と促しているようなもの」、「維新は身を切る改革というなら、費用増額分を政党交付金なり自分たちの給料なりですべて賄うべきだ」などと批判が上がっています。

 こうした中、万博協会は、国や大阪府・大阪市、経済界で同等に負担する万博の会場建設費1,850億円(これさえも当初より660億円増額済み)について、増額の検討に入りました。会場建設費は、最終的に3,000億円を突破する可能性があるとの指摘も出ています。ところが、7月21~23日に実施された読売新聞社の全国世論調査では、万博に「関心がある」のは35%で、「関心がない」の65%を大きく下回りました。大阪府の吉村洋文知事を中心とした日本維新の会・大阪維新の会の面々は、万博が失敗すると万博会場の夢洲において万博閉幕後に建設が予定されているIR(カジノを含む統合型リゾート)の建設が致命的な打撃を受けるので、党の威信をかけて万博開催を強行するかもしれませんが、万博にしがみつくほど建設コストが上昇し、大阪府民だけではなく日本国民全体が尻ぬぐいを押し付けられそうです。

万博に続いて失敗が見込まれる大阪IR

 もっとも、大阪IR自体、事業計画の杜撰さが散々指摘されています。大阪府と大阪市は、開業3年後の年間来場者を約2,000万人、年間売り上げは約5,200億円を想定しており、8割程度をカジノが占めると見込んでいます。近隣にあるUSJ(ユニバーサルスタジオ・ジャパン)でさえ、これまで最高で年間1,500万程度(2017年の推計値)で、東京ディズニーランドと東京ディズニーシーを合わせた東京ディズニーリゾートは年間約3,250万人(2018年)であることを考えると、実現性に疑問を持たざるを得ません。今年4月に公表された国交省の審査結果報告書においては、施設への需要予測について 「根拠が明確でなく、十分な評価は困難」、「算出数値の水準について一般的に納得されるには至らないものもある」、「推計値は、証左等の裏打ち以上に意欲的な数字となっている」と否定的なコメントが続いています。

 特に開業3年目の来場者約2,000万人の内、訪日外国人は約630万人とされており、逆に言えば、残りの1,370万人は日本国内在住者ということになります。日本国内在住者の入場料は1回6,000円ということで、大阪市の二大中心地である梅田や難波から離れて直通電車も走っておらず他に何もない場所に行って、金を無駄にしたい人がそんなにいるとは到底思えません。

 こんな杜撰極まりない内容の計画に対して及第点が与えられたのは、岸田自民党政権が、党首が「第二自民党でよい」と言ってはばからない維新を、「ゆ党」の一部として取り込んでおきたいための、単なる政治的妥協に過ぎないといえるでしょう。一部の維新支持者たちは、IRが失敗しても民間事業者の出資だから府や市の財政には問題が無いなどと言っていますが、大阪市が負担する788億円(もっと上振れするでしょう)の土壌汚染対策費は一体に何のために使われるのでしょうか?彼らは維新同様無責任過ぎます。私は夢洲を含めた大阪ベイエリアの開発には反対していませんが、いかにも失敗しそうな事業に血税を投入し続けるのはやめていただきたいと思います。万博もIRもやめて、USJの別館(東京ディズニーシーみたいな施設)を夢洲に建設した方が、土壌対策に多額の費用がかかっても将来的には採算がとれる可能性が高いと思います。

道路環境が悪化するだけの“シャンゼリゼ”御堂筋完全歩道化計画

 これだけでも維新の愚かさがわかると思いますが、極めつけは大阪市の北側の中心である梅田と南側の難波を結ぶまさに大阪のメインストリートである御堂筋の完全歩道化計画です。旧淀川を超えた淀屋橋の交差点かから南海電鉄の難波駅前までの約3キロを完全歩道化するとのことで、吉村知事(発言当時は大阪市長)曰く「パリのシャンゼリゼに負けない空間にしたい」と、2037年をめどに全面歩道化を目指しています。

 御堂筋は基本6車線、最大8車線の片側通行の大通りで、さすがに片側通行に6車線は必要ないのではと毎回大阪に行く度に思いますが、自動車通行量が多いメインストリートを全面歩道化する必要性が全く理解できません。完全歩道化した場合に、周辺の四つ橋筋や堺筋に自動車が大量流入し、大混雑になるのは目に見えています。

 さらに、御堂筋通り沿いにはホテル日航大阪や大丸・パルコなど大規模なホテル・商業施設が林立しているのですが、これらの利用客が大きな荷物を持って移動する際の不便など維新の連中は全く考えていないようです。ホテル利用客に関しては、ホテルの車寄せがもともと御堂筋側になかったとしても、御堂筋を通れないことによって遠回りをしなければならないことで不便を強いられます。また、救急車が御堂筋をスムーズに通れなければ救える命も救えなくなるでしょう。

 吉村知事はシャンゼリゼ通りのまねをしたくて、このような無邪気な計画を実現したいのでしょうが、シャンゼリゼ通りにも自動車専用道は当然存在します。それに、東京やニューヨークやロンドンなど他の世界のトップレベルの都市の主要道路とて、車線数も多いわけではなく歩道が広いわけではありません。

 そもそも、外国人観光客も含む多くの大阪訪問者・在住者にとって、本町―難波間の歩行での移動は、御堂筋の脇にある心斎橋筋のアーケード街かアメリカ村や堀江を経由することがメインなので、御堂筋を完全歩道化したところで利用者は大して増えないでしょう。それに、淀屋橋―本町間はオフィスビル主体のビジネス街なので、土日は特に人もまばらです(6月に現地に行って上記を確認してきました)。ひょっとしたら、維新の連中は土日も淀屋橋周辺に人を増やしたいと考えているのかもしれませんが、ならば、御堂筋という南北軸に固執する必要は全く無く、天王寺(阿部野橋)、京橋、西九条といった大阪環状線の他の主要駅のターミナル機能を向上させるべきです。御堂筋の完全歩道化なる天下の愚策は諦めて、現在進められている心斎橋-難波間の側道の歩道化を完了させる以上にやるべきことはありません。

維新が万一政権を取れば、まさに悪夢になる

 以上を読んでいただければ、如何に維新の計画がどんぶり勘定であるかが理解できたと思います。維新というのは、この時代においても!創設者である橋下徹氏の新自由主義的政策を引き継いでいる(私から見れば時代錯誤な)党ですが、万博やIRを見ると、「橋下イズム」なるものを引き継いでいる彼らは、公共事業をする際に「事業主さえ民間にすれば失敗はしない」と安易に考えているように思えてなりません。自民党と立憲民主党(旧民主党系)が金属疲労を起こしているから相対的にこの軽薄で滅茶苦茶な党が浮かび上がっているだけですが、こんな政党が野党第一党になったり間違えて政権を取ったりすれば大変なことになると思います。民主党政権時代を悪夢と思っている人さえ、民主党政権の時と比べものにならない悪夢を見る可能性が高いでしょう。皆様には維新の真の姿を理解していただきたいと思います。





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