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大阪市は狭すぎる

大阪市の面積は223 km²で、世界の他の大都市のそれに比べてかなり小さい。ソウル特別市(605km²)、東京23区(628km²)、ニューヨーク市(783.8 km²)、ロンドン(1,572 km²)、モスクワ市(2,511 km²)、上海市(6,340 km²)、北京市(16,810 km²)と比べれば一目瞭然である。大都市の人口規模については、都市圏人口でとらえるのが適切であり、中心的都市の市域内人口でとらえるのは全く不適切である。国連の「世界都市人口予測・2018年改訂版」によると、2018年の京阪神大都市圏の人口は1,928万人で世界第一位の東京圏の3,747万人の半分程度だが、それでも世界で10位に位置するメガロポリスである。

それでも、私は「大阪市」と認識される地域は拡大されるべきで、最低でも人口500万人以上にすべきだと思う。何故なら、大阪市に関しては、面積が小さすぎるために、大阪市より人口密度がかなり低い横浜市より人口総数が少なくなっており、しばしば大阪は「日本第3の都市」と紹介される。この表現は実態を全く適切にとらえていないことは言うまでもないが、それなりに大阪に対してマイナスのイメージをもたらしているのではないかと思う。

実際に海外の旅行ガイド(サイト)などでは、大阪が京阪神大都市圏の中心都市であることなど必ずしも丁寧に解説してくれないので、東京から京都まで来たのに大阪をスキップする外国人観光客は少なからずいたのである。仮に大阪市が周辺の市と合併して人口600万以上となったら、人口600万人の日本第二の都市として紹介されるわけで、現状の270万と比べて異なる印象を人々に与えるだろう。人口230万・面積326km²の名古屋市に関しても大阪市ほどではないが同様のことが言える。

大阪市のように都市圏人口・面積が大きい割に中心市の市域面積が小さい例は、フランスのパリ市(105km²)の他、ワシントンDC(177 km²)やサンフランシスコ市(121km²)などアメリカ国内でよく見られるが、面積が小さいことは行政の非効率性以外にも、先ほどの大阪の例のようにそれなりにマイナスの影響を与えているのではないかと思う。

国連によると2018年のパリ大都市圏の人口は1,090万なのにパリ市自体の人口は215万である。「パリ市の人口は1,100万です」と言われるのと「パリ市の人口は215万です」といわれるのでは、かなりパリに対する印象が異なってくるだろう。パリ市民が、パリの人口はどれくらいですかと聞かれて、215万と答えれば「パリって意外と小さいんですね。」と思われることもあるだろう。それに対していちいち言い訳をするのも骨の折れる話である。中国の北京市や上海市の様に都市圏そのものを一つの市にまとめてしまうことが良いとは思わないが、市の面積が小さすぎると当然市域人口が小さくなるので、大都市としての第一印象を格下げさせる効果はあるだろう。





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