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立憲民主党は、「誰一人取り残されることのない社会」を訴えているのであれば

性的同意年齢の引き上げをめぐり「50歳近くの自分が14歳の子と性交したら、同意があっても捕まることになるのはおかしい」と発言したと報じられ、批判を受けた立憲民主党の本多平直衆議院議員が同党を離党し、議員も辞職しました。

私は性的同意年齢の引き上げは必要だと思いますし、性被害当事者団体の活動には敬意を表し、支援しなければならないと思っています。また、本多氏の発言に関しては、不適切である部分が多く、離党や一年間の党員資格停止処分が妥当であるかは別として、処分の対象になることについて反対しているわけではありません。

その一方で、問題になった党内ワーキングチーム(WT)会合における、本多氏と対立していた外部講師に関しては、年齢差がある青年と18未満に恋愛は存在しないという科学的に証明困難な主張があり、私は同意しかねます。あるかもしれないが、弊害のほうが多いという主張であれば理解できます。これ以外にも、そう言い切れるのかと疑問を抱くような主張が、本多議員と意見を異にするWT参加者からされていた状況が存在することも理解できます。それゆえ、現時点ではWT内で本多議員を対立していた方たちの主張すべてが妥当であるかは疑念があります。

繰り返しになりますが、本多議員の言動に多々問題があったとは思いますし、本人も反省されているようですが、彼が修正不可能なレベルでの女性差別主義者であるとは思えませんし、寺田氏が暴露した意見書を見ても彼が性被害者団体の存在そのものを否定したわけではありません(もちろん私は彼の言動全てを正当化しません)。

不祥事を起こした人を切り捨てるのは簡単ですが、切り捨てるよりは反省の上に再起を促すほうが建設的ではないでしょうか。立憲民主党はそうしたプロセスを党内で行うことを事実上放棄したのが最大の問題だと思います。

ここで、WT座長である寺田学氏の行動は座長としては甚だ不適切です。本多氏によると2人の会話は同意なしに一部分だけを恣意的に切り取って意見書に記載したとのことです。意見書を敵対勢力の産経新聞と本多氏と対立するライターである小川たまか氏にリークしたのは、中立的であるべき座長の立場を放棄し、本多氏を政治的抹殺しようとしただけという批判を浴びるのは当然です。

立件民主党の福山哲郎幹事長は本多氏が離党を表明した日に記者会見を行いましたが、本多氏の問題に関して記者から聞かれても、「本多氏は離党して党内の人間ではないからもう過去の問題だ」というロジックで問題を収束させることしか頭にないように思われました。党内ガバナンスの問題に真摯に向きあい、国民からの信頼を回復しようとする姿勢が全く感じられず、唖然としました。

不祥事をうやむやにするのは良くないですが、党内で議論し一定の処分の行った後に同紙に対して再起を促すという温かさが、旧民主党および現立憲民主党(いわゆる旧民主系)に欠けている気がします。自民党は良くも悪くも党の人間をかばい最後はまとまる傾向があるように思われますが、旧民主系に関してはそれが弱いといえるでしょう。

これは、民主党も立憲民主党も左派・リベラル政党名の保守政党なのか党のアイデンティティが明確でないため、党員の党に対する帰属意識が保守政党を自任する自民党や革新政党を自任する共産党よりも低く、党員の間で党内の人間を同志と思う感情が欠如しているからかもしれません。

立憲民主党の枝野代表は目指す社会像として「誰一人取り残されることのない社会」と言っており、同党の綱領には「一人ひとりが個人として尊重され、多様な価値観や生き方を認め、互いに支え合いつつ、すべての人に居場所と出番のある共生社会を構築します」と書いてあります。さらに、これに基づいて基本政策では「誰も自殺に追い込まれることのない社会をめざします」と書かれています。

そう訴えているのならば、党執行部が不祥事を起こした所属議員に対して離党を迫った後に、離党したからもう知らないという態度をとるのは良くありません。他のリベラル系論者もそうですが、価値観を共有するところがかなりあるのであれば、意見が合わなかったり不祥事を起こした人に対して「偽リベラル」などと切り捨てないで、反省の上の再起を支援する温かさが必要なのではないでしょうか。

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