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首相長男の接待は政権を揺るがす大問題に発展

菅首相の長男、正剛氏が勤務する放送関連会社「東北新社」による総務省高級官僚への接待問題が政権を揺るがす大問題に発展しつつあります。一言で言えば、BSおよびCS放送事業の認可をめぐっての同社による総務省への贈収賄事件となる可能性が出てきたということです。また、菅首相が同社と非常に関係が深いことから首相が接待の事実を把握していたのかも今後焦点になってくるでしょう。

正剛氏は現在、東北新社のメディア事業部趣味・エンタメコミュニティ統括部長を務めていますが、正剛氏の同社への入社・そして異例の出世は、菅首相が放送事業の許認可権を持っている総務省の大臣を務めたことが背景にあると指摘されています。東北新社というと映画製作・配給、海外映画の字幕や吹替などをメインに行ってきた印象がありますが、近年はBSおよびCS放送事に力を入れているとのことです。

総務相時代から気に入らぬ官僚を左遷するなど人事権を強権的に行使してきたことで、菅首相は同省に強い影響力を持っていると指摘されています。正剛氏は父が総務相在任中に大臣秘書官を務め、父の威光によって同省に顔が利くことから、総務省への交渉担当として東北新社の中で重用されてきたようです。

接待は2016年7月から少なくとも13人が延べ39回に渡って行われてきたとのことですが、東北新社が放送事業の認可を融通してもらうために、総務省幹部に接待攻勢を行っていたことが窺われます。2016年12月14日に、当時大臣官房審議官だった吉田眞人氏が東北新社側と会食をおこなっていたことが明らかになっていますが、2017年1月24日に総務省は同社を4K放送の事業者に認定しています。週刊文春の報道で接待現場を押さえられた昨年12月は、東北新社の子会社が手掛けるBS放送「スターチャンネル」が5年に1回の認定の更新を受ける直前です。

また、2018年4月に総務省は東北新社の子会社「囲碁・将棋チャンネル」のCS放送業務を認定しましたが、同年にCS放送業務として認定された12社16番組のうち、ハイビジョン未対応で認定されたのは「囲碁・将棋チャンネル」だけだった一方で、ハイビジョンに対応していても落選した番組もあったとのことで、明らかに不自然な取り扱いだったと言われています。

ここで、当時、認定判断の最高責任者たる総務省情報流通行政局長だったのが、NHK「ニュースウオッチ9」の有馬嘉男キャスターの菅首相へのインタヴュー内容に関して圧力をかけたと言われている山田真貴子現内閣広報官でした。なお、山田氏が総務審議官だった2019年11月6日、飲食代だけで7万4203円になる高額接待を東北新社から受けていました。贈収賄という犯罪にもなりうる金額との指摘が上がっており、これについては市民団体が告発する可能性が高いと思われます。

以上から見えてきたのは、菅首相を恐れてイエスマン化した総務官僚と首相との近さを背景に放送事業の認可を得ようとする東北新社との「ズブズブの関係」ですが、自分の子息と自分に近い官僚たちが頻繁に会食していたことを首相が全く知らなかったことなどありえるのでしょうか。

今回の接待問題が、モリカケ・桜問題と少なくとも同じくらい政権にダメージを与えるのは必至です。正剛氏ら東北新社関係者と接待を受けた総務官僚の国会招致は当然です。中でも、山田真貴子氏に関しては、NHKへの不当介入問題も併せて追及しなければなりません。そして、菅首相が接待の事実を把握していたのかについても追及していく必要があります。





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