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長崎「原爆の日」を迎えて【談話】

長崎「原爆の日」を迎えて

 

77年前の8月9日、広島市に続き長崎市に原子爆弾が投下され、長崎市は壊滅的な被害を受けました。非常に多くの尊い命が奪われ、現在も名前が特定できなかったり行方不明のままになっている方も多く存在します。私たちは原子爆弾によって亡くなられた全ての人々に心から哀悼の意を捧げるとともに、ご遺族の方々、今もなお健康被害や心の傷に苦しんでいる方々に、心からお見舞い申し上げます。

昨年7月26日、「黒い雨」訴訟に関して、広島高等裁判所は原告全員を被爆者と認める判決を言い渡しました。これに対して国は上告を断念し、ついに原告側の勝訴が確定しました。しかしながら、厚生労働省はその後、「広島の原告と同じような場所や時間帯に黒い雨を浴びた可能性があること」などが必要であるとした、黒い雨にあった人を被爆者と認定するための認する新しい審査指針案を提示し、長崎の被爆者の方々はその対象に含まれませんでした。広島と長崎で被爆者の認定基準が異なるのは許されることではなく、厚生労働省は方針を撤回し長崎の被爆者の方々を早期に救済すべきです。

今年2月のロシアによるウクライナへの侵略開始から5か月以上が経過しましたが、現在においても東部や南部では 激しい戦闘が行われており、双方の攻防が激化しています。ロシア大統領ウラジーミル・プーチンは戦いを有利に進めるため、核兵器の使用を示唆する発言を繰り返しています。また、ナンシー・ペロシ米下院議長の台湾訪問に反発した中国は、いまだに台湾周辺で大規模な軍事演習を繰り返しており、緊張がかつてないほど高まっています。

世界は常に核の恐怖に晒されていた冷戦期に戻ってしまい、日本は、新「冷戦」の最前線地帯に位置しているという厳しい状況に置かれています。私たちは国家を防衛し地域の平和を保つために最大限の努力を行わなければなりません。しかしながら、私たちは、唯一の戦争被爆国として、「核なき世界の実現」に向けて核保有国と非核保有国の橋渡し役として積極的に行動する必要があります。

私たち進歩党は、日本が、現在開催されているNPT再検討会議における合意形成へイニシアチブを発揮することはもちろんですが、今後、核兵器禁止条約締約国会議にオブザーバーとして参加することを強く求めます。非人道的な核兵器の使用が二度と繰り返されてはならず、長崎は永遠に最後の戦争被爆地でなければなりません。私たちは、日本が世界平和の実現にイニシアチブを発揮する国になれるよう全力を尽くす次第です。

2022年8月9日
社会民主進歩党代表
鈴木しんじ





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