新型コロナウイルスの5類への変更決定についての党声明
岸田政権は27日、新型コロナウイルスの感染症法上の分類を現在の「2類相当」から5月8日に「5類」に引き下げることを決定しました。新型コロナウイルスに関してはオミクロン株の流行後、致死率は大幅に低下したものの、感染力は強まり日本における第8波における死者数はパンデミック発生以降最多となっています。また今後、致死率が高い、新しい変異株が発生する可能性がないとは言えません。
これまで「2類相当」見直しが求められ続けていたにもかかわらず、安倍・菅・岸田と3内閣に渡って議論が一向に進まず、結局見直しに3年近くかかりました。こうした経緯を踏まえ、私たち進歩党は「頻繁に進化を繰り返す新型コロナウイルスに適した形で、柔軟な対応を可能とする新しい分類を創設すべきである」と訴えてきました。そもそも2類と5類では内容があまりに違いすぎます。岸田政権がそうした声に耳を傾けず2類か5類の二項選択にとらわれ、決断を下したことは遺憾としか言いようがありません。
さらに、現在日本国内の新型コロナウイルス新規感染者数は減少傾向にあるものの、これまで新たな変異株の発生などにより3-4か月くらいの周期で感染の波が生じてきたことを考えれば、分類を変更するゴールデンウィーク後に、第9波のピークを迎える可能性は十分あると言えるでしょう。それにも関わらず、発表から3か月もの長い期間をかけて移行を行うことは、諸外国の事例と比較しても非合理的としか言いようがありません。岸田首相は準備期間が長すぎる理由について「医療体制の万全な移行や自治体などによる準備に3か月程度要するとの専門家の意見を踏まえた」と言っていますが、移行前に第9波が発生したら医療体制の万全な移行など不可能なのは、火を見るより明らかです。
早期に「5類」へ変更して統一選挙前に感染が拡大した場合に選挙で責任を問われる状況を避けるため、わざと移行を選挙後にしたのではないかとの見方もありますが、岸田首相の声までの動きを見れば、何事に関しても目先の政権支持率の回復を最優先に行動しているとの疑念が持たれるのは当然です。
私たちは、岸田政権に対して、これまでのコロナ対策の総括を求めると共に、5類への準備期間の大幅な前倒し、5類移行後に致死率が高い変異株が発生した場合に対応できる医療体制の構築を求めます。岸田首相は説明責任を果たすと共に、もっと真剣に政策に向き合うべきです。
2023年1月28日
進歩党政策調査会長
大屋 さとし