終戦の日を迎えて
本日で先の大戦から77回目の終戦の日を迎えました。十五年戦争で旧日本軍が行った侵略行為は多くの国々、とりわけアジア諸国の方々に対して甚大な損害と苦痛を与えました。侵略戦争と植民地支配の犠牲となった内外の全ての方々に対し、謹んで哀悼の意を捧げます。
今日の日本の平和は、戦争により亡くなられた方々の尊い命と戦争のない日本を創るために尽力された先人の御努力の上に成り立っています。平和な日本と世界を後世に残していくために、私たち進歩党は戦争の記憶と平和の尊さを後世に伝えていく努力を続ける所存です。
今年2月にロシアがウクライナへの侵略を開始してから半年近くが経過しましたが、現在でも東部や南部では激しい戦闘が行われており、これまで多くの方々の尊い命が奪われました。この戦争はロシア大統領ウラジーミル・プーチンの歪んだ帝国主義によって引き起こされたものですが、ロシア軍の残虐な行為のニュースを目にするたび、これはかつて私たちがたどった道であると自責の念に堪えません。一方、アジアにおいても、ナンシー・ペロシ米下院議長の台湾訪問に反発した中国が台湾周辺で力にものを言わせた大規模な軍事演習を行い、非常に緊張が高まっています。世界は再び、他者を支配しようとする野蛮な帝国主義の脅威に晒されています。
国際社会は断固とした姿勢で帝国主義に立ち向かい、平和で公正な世界を創るために一致結束しなければなりません。日本は、民主主義・人権・言論の自由・法治主義等の価値観を共有する国々・地域と協力し、立憲主義を遵守しながら世界平和の実現・維持に積極的に貢献する責務があります。
こうした現状認識に基づき、私たち進歩党は、先の大戦への真摯な反省の意識に基づき二度と侵略戦争を起こさないよう現行日本国憲法の平和主義の理念を遵守したうえで、日本が民主主義国家間の集団安全保障体制の中で適切な貢献を果たすために、憲法改正を含む必要な改革を立憲主義的に進めるべきだと考えています。しかしながら、岸田政権は、航空自衛隊の次期戦闘機についてイギリスと共通機体で開発する方向で調整に入り、輸出視野に防衛装備移転三原則の改定を検討しているようです。このことは憲法論議を経ないで相変わらずなし崩し的な解釈改憲が進んでいることの証左に他ならず、私たちは立憲主義を無視した時代錯誤な自民党政治を強く非難します。
法治主義の遵守こそ平和と民主主義を守る砦です。為政者が立法手続きを経ずに自由裁量を行い、政治を私物化することは許されてはなりません。プーチンに支配されたロシアを見るまでもなく、そのようなことが許される国家体制が戦争を引き起こすのは歴史が証明しています。私たち進歩党は、国内外に対して問わず公正で透明な政治の実現を目指す姿勢を貫き通すことによって、戦争なき平和な世界の実現に貢献していく所存です。
2022年8月15日
社会民主進歩党代表
鈴木しんじ