お知らせ

憲法記念日にあたって(談話)

日本国憲法が施行されてから、本日で74年となりました。「基本的人権の尊重」、「国民主権」、「平和主義」という日本国憲法の三大基本原理は、第二次世界大戦後の日本の平和と発展を築き上げた基礎です。我々は今後ともその理念を尊重し、守り続ける必要があります。

一方で私たちは、基本的人権の尊重と国民主権をより積極的に実現するために憲法を改正し、日本国憲法Version 2を創る必要があると考えます。具体的は、私たちは、国民が直接最高権力者を選ぶことが出来る大統領制と象徴天皇制との共存(日本型大統領制の導入)、環境権・プライバシー権・同性婚の憲法上での明記、憲法裁判所の創設を主張します。中央集権的国家体制打破の観点からは、私たちは、地方分権とナショナル・ミニマムの維持の両立を目的とし、(現行の都府県制を当面維持した上で)連邦制への移行を視野に入れた道州制の導入と中央政府と州政府の役割分担の憲法上での明記を目指します。

さらに、私たちは、憲法9条が戦争放棄・戦力の不保持・交戦権の否認を規定しているにもかかわらず、現在、自衛隊の存在は日本の領土保全と災害救助に不可欠であり、自衛隊の防衛力・規模が「隊」と呼ぶにふさわしくないほど大きくなっている現実を直視すべきだと考えます。私たちは平和主義の精神は守りながら憲法を改正することで問題の解決を目指します。具体的には、自衛隊を防衛機構と改称した上で、憲法9条を改正しその存在と役割・行動の制限を明記すべきであると考えます。

ここで、重要になるのが現行憲法で認められていない集団的自衛権の行使をどうするかです。私たちはまず、集団的自衛権行使を可能にした安保法の違憲部分を削除することが立憲主義を守る上で必要だと考えています。安保法改正後に、憲法9条の改正に合わせて、①.基本的人権の尊重と国民主権を守る国々から構成される安全保障同盟または②.国連や(実現可能であれば国連よりも拘束力が強い)世界政府のもとで、日本が一定の防衛的役割を果たすべきであると考えます。なお、私たちは、憲法上で集団安全保障における集団的自衛権の行使を認めるにあたっては、(イラク戦争などの)侵略戦争に日本が加担しないように、憲法上で新設の防衛機構に行動制限を明記し、防衛機構の海外派遣の合憲性判断を新設の憲法裁判所が行うことを主張します。

私たちは、日本国憲法Version 2の実現が日本の平和的・持続可能な発展に不可欠であり、さらに世界平和にも貢献すると考えております。しかし、現在最優先に行わなければならない政策課題は新型コロナウイルス感染症により持たされた世界的な衛生・経済危機(コロナ禍)の克服です。より強力な感染抑止策を行うと同時に変異株による感染を大幅に減少させ、国内でのワクチンワクチン接種による集団免疫の実現を今年中に実現しなければなりません。また、全世界でワクチン接種による集団免疫を早期に実現させなければ、新たな変異種の発生は抑えられないとの認識から、各国政府が製薬会社に金銭的補償を行うことによりワクチン開発に関係する特許の一時停止を実現するなど、全世界でのワクチン接種の迅速化に向けてグローバル協調体制を整える必要があります。世界第3位の経済大国である日本はその実現にイニシアティブを発揮すべきです。

憲法改正は、日本がコロナ禍を克服し、さらに安保法制の違憲部分を削除により立憲主義が回復した後に取り組むべき課題です。菅政権が福島の現実から目をそらし地球環境問題にかこつけて原発再稼働を一気に進めようとしているのも大変憂慮すべき事態で、絶対にこれを阻止しなければなりません。

国民のことを考えない自民党菅政権でコロナ禍の克服・安保法制の違憲部分削除・脱原発とは正反対の動きが進んでいる以上、私たちは政権交代を通じて自民党政治を終わらし、国民の手に政治を取り戻さなければなりません。

 

2021年5月3日

社会民主進歩党第代表 鈴木 しんじ





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