11月1日行われたいわゆる大阪都構想(大阪市を廃止し4つの特別区を設置すること)についての住民投票は、反対多数という結果になった。
これまで、この構想を主導してきた日本維新の会及び大阪維新の会(以後、維新という)の政治姿勢に関しては様々な問題点があるが、維新が大阪府と大阪市の二重行政を取り除こうとしてきたことについては一定の評価が与えらえるべきである。しかしながら、戦時遂行体制の遺物と言える「東京都」を今の時代になって真似をしようとした大阪都構想は、「大阪市」の市域にあたる部分を拡大させる前に大阪市を消滅させる、特別区の区分けの妥当性に問題点がある、特別区へ新たに参加する近隣市がどれくらいになるのか不透明である、特別区民がこれまでよりも「市政」へ関与出来る度合いが減少する、道州制を導入した場合に特別区や大阪府、他の府県の関係がどうなるのか不明確である、という5点において少なくとも不十分なプランだったと言える。
それゆえ、多くの欠点を持つ維新のプランが府民を納得させられなかったのは当然の結果である。
社会民主進歩党は、これに対して明確なビジョンを持つ地方分権プランを提示している。まず、全国の都道府県を経済的にまとまるがある地域ごとに10個に分割して州を設置する。州の下部組織として現行の都府県は当面存続させるが国から都府県への財政援助は行わず、州からのみとする(北海道に関しては支庁に代わり県相当の組織を置く)。東京23区・大阪市・名古屋市・福岡市・札幌市に関しては、都府県から独立し州の直下に置かれる特別市にして、必要に応じて近隣市との合併を促す。国の首都・州の州都への一極集中を排除するために、首都移転を行うとともに州都は各州の人口最大都市以外の都市に置くことにする。
我々のプランは、東京・大阪・名古屋・福岡・札幌などの国内主要都市は、政治から独立した経済都市としてさらなる発展を遂げ、日本においてより健全な形で都市間競争が実現することを目指すものである。
我々は、今回の大阪での住民投票の結果を教訓にして、我々のプランが合理的であり日本の将来に必要であることを広く国民に訴えていく所存である。