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マスク着用:ルールは、シンプルで人々が守れるものでなければならない

新型コロナウイルス対策でのマスク着用について、政府は①屋外では季節を問わずマスクの着用は原則不要、②屋内では距離が確保でき、会話をほとんど行わない場合をのぞき、マスクの着用が必要であるとしています。しかしながら、①に関しては同時に「人との間で2m以上の距離を保てずに会話する場合はマスクの着用をお願いします」とも言っており、実態として“原則”不要になっていません。

そもそも、人と会話する時に2mも距離を開けていたら相手の発言を十分に聞き取れない可能性が高く、さらに、友人や家族などと歩行を共にしながら2mも距離を開ける人が何処にいるというのでしょうか? 集団で登下校する生徒を持つ学校が、生徒や父母に対して自発的に「屋外でマスクを着用する必要はないので外してほしい」などというわけがなく、繁華街を友人と一緒に歩く若者も政府の言うことに従えば、繁華街ではマスクを外せないことになります。これでは、人々がいまだにマスクを外せないのも当然でしょう。

ところが、「屋外ではマスク着用は“原則”不要」というルールについて、加藤厚生労働大臣は「見直す予定はなく、現在のルールについて国民と十分に共有できていないのでさまざまな機会を通じて伝えていく」などと言っており、ルール自体に問題があることを認識していないようです(さらに言えば、このルールなるものは法制化されてもいません)。

こうした無理があるルールを政府が見直す気がないのは、岸田首相がコロナ対策に対するビジョンが欠如しており、感染症対策を中心とした専門家からの慎重な意見に従っているだけだからでしょう。

パンデミックが発生した当初は、ワクチンも治療薬もなく新型コロナウイルスによりどれくらいの被害が生じるのか予想ができなかったため、リスクを最小化することが必要だったのですが、発生から2年半以上たち、感染者数は圧倒的に増加したものの死亡率は大幅に低下しました。それを考えると、政府は、どのようにして経済の活性化と感染対策のバランスを取りコロナ渦を終息させていくのかについて新しい方針を打ち出すことが必要です。その際、どれくらいの死者・重症者数迄が社会的に許容範囲なのかを決定するのは、感染症対策の専門家の仕事ではなく、政治家の仕事です。しかし、自らの決断で迅速に対応することなしに対処療法的で官僚主義的な対応を取るのが岸田首相の特徴です。

日本や中国、韓国などの東アジア諸国を除くほとんどの国では、屋内外問わずマスクをしている人がほとんどいないのが現状です。それを考えると、日本政府の対応は諸外国から見れば摩訶不思議なものでしかないでしょう。さらに、水際対策が緩和され外国人個人旅行客が日本に戻ってきている中、このような不可思議なルールはトラブルの元となるでしょう。

私は、今後致死率が高いウイルスが流行すれば迅速に見直すことを前提条件として、政府は「当面、屋外でのマスク着用は不要」との見解を示すべきだと思います。屋内についても、私は「マスク着用を推奨するが任意」とするくらいでよいと思っています。後者に関しては特に進歩党の中でも異論があるので、党内で十分議論して近日中に党としての方針を決定したいと思います。

いずれにしても、ルールはできるだけシンプルで、多くの人々が守れるようなものでなければならず、そうでなければルールの改正を行うべきというのが私の立場です。





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